2気筒エンジン

a0152288_043223.jpg
2気筒、ということは通常はピストンが2つコンロッドが2つ、給排気のバルブが4つ。
素人の私が思えることといえば部品点数が少なく、比較的経済的なエンジンでも
あると言えると思います。そしてプリミティブな形状も好きな部分。
a0152288_2357493.jpg
経済的といえばfiat 500のプラグコードは2本。
4気筒アルファロメオ・GTAなどのエンジンヘッドを見ると
ツインプラグ故のプラグコードの多さ。しかしこれはこれで、メカニカルな
雰囲気を醸し出す一つの重要な要因でもあり、簡素さを絶対的な美とするには
個人的には疑問符が残るところでもあります。

そしてその105系ジュリアのエンジンのヘッド上部を見ると、燃焼室が半円球状と
なっているのがわかると思います。これはABARTHが晩年、TCRで実現し、更に
695でやりたかった、ヘミスフェリカル・コンバスション・チャンバー、
所謂「テスタラジアーレ(半円球状ヘッド)」と同型でもあります。
現在はペントルーフタイプが主流ではありますが、当時の技術力から
燃焼効率の良いヘッドを模索していたのだろうとな、と想像してしまいます。

しかしここで素人ゆえの疑問点が残ります。半円球状の燃焼室にすると、
それを補うためのピストンの盛り上がりが必要になってくるということ。
2気筒であることの欠点の一つ、1つのピストンが更に大きく重くなってしまうこと。
a0152288_0285121.jpg
実際このタイプのエンジンが実戦に使われたかという資料は、現時点で
見つけられてなく、その生産数の低さから解るように希少性が高く現物の内部を
見ることは残念ながら、叶いません。探せばカムプロフィールぐらいは
出てくるのですが、素人には何のことかさっぱりでもあります。
a0152288_2349149.jpg
そして本題の載せかえたE/g。排気量は738cc。
キャブレターはWEBER 40 DCOEの対策品。ここにも主治医の拘りがあります。
中身に関しては書ける範囲ですが、ヘッドは1ポート、超ビッグバルブ、各ポート研磨と
カム、クランクシャフト、ノーマル軽量フライホイールからクロモリフライホイールへ。
エンジン形状が大きく時代設定を脱線するようなことはしておらず、
fiat 500の清貧さとシンプルさは無くなりましたが、各部組み付けをオートマイスター
ならではの緻密さと、実践に裏打ちされた経験で組んでいただき、機械ゆえにその
フィードバックが素直に表現された、想像以上の加速の鋭さとトルクの力強さ、
そして「40 DCOE」という、500には大きすぎると思われる
キャブでも踏めるキャパの広さを持ったエンジンに仕上げてもらえました。

オイルクーラーの位置は、私が決めさせてもらいましたがオイルラインのホース類の
取り回し、オイルクーラーの設置方法などは、お付き合いさせてもらってから数年、
私の好みと「変な」美的感覚を理解して頂けるようになり、満足の仕上がりです。
a0152288_11799.jpg
エンジンを載せ替えるということは、クルマにとってはある意味「脳」を
すげ替えることと同じことなのかも知れません。そのクルマが辿ってきた時間と
いうものを一旦リセットしてしまう感覚があるのは否めません。
しかしエンジンを載せかえた時、私が感じたのはその哀愁ではなく、
大げさかも知れませんが感動にも似た嬉しさでもありました。
主治医と綿密なE/g設定の打ち合わせを繰り返し、考慮の結果組みあがったエンジン。
その現時点での最高と思えるエンジンと共にじっくり、暫くは通勤路を、
ワインディングを、サーキットを楽しみたいと思います。
[PR]
by fotografiat500 | 2012-04-10 01:08 | nuova motore